読むだけで強くなれる剣道ブログ

大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

「諸手突き」のことを理解してますか?その理論を紐解く。梅ヶ谷翔・栄花直輝・林邦夫の突きを参考に

まずは動画をご覧ください。↓

 

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梅ヶ谷翔選手の高校時代の諸手突きです。0:40ぐらいに一本になります。

 

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栄花直輝選手の突き。0:58〜の場面です。

 

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林邦夫八段の突き。初太刀です。これは凄すぎます。

 

今回、突きに関する記事ですが、中学生あたりの剣士でも、読めば理屈は分かると思いますので、ぜひ読んでほしいです。将来的には使うわけですので。

 

 

剣道において、「突き」とはどういう存在か。はっきり言って、突き無しでも試合は組み立てられる。大学生や大人の剣士でも、突きをろくに突けない人はゴマンといる。むしろ、突きが上手い人は1割にも満たないだろう。剣道において、「あの人、突きが上手いね」と言われる人で弱い人はまずいない。理論上、突きを突けるようになれば、強くなれるということになる。そして、それは真実だ。何としてでも突き技は身に付けるべきなのだ。
どうして突きが上手い人というのは強いのだろうか。それは、突きを起点に攻めることによって攻撃に大幅な厚みが出てくるからに他ならない。そこで、今回は突き技を理論的に説明していく。
 
まず、「突き技」が持つ特異性(特徴)とはどのようなものであろうか。考えてほしい。私が考える答えは2つある。
 
一つ目の答えは「メンより速いこと」である。「メンより速い」というのは、「打突の動作の始まりから竹刀が打突部位に到達するまでの時間」が飛び込みメンより速い、ということだ。これは、考えてみれば当たり前のことだ。飛び込みメンと諸手突きは下半身の動きはほとんど同じだが、突きは竹刀を振る動きが必要なく、直線で竹刀が打突部位に届くので、当然飛び込み面より速い。そして、突きは飛び込みメンより速いから、「飛び込みメンは当たらないけれども突きは当たる」という機会がある。上の3つ動画を観てほしい。これらの場面、突きでなく飛び込みメンであれば一本になっているだろうか。おそらく、相手はよけているだろう。「突きは飛び込みメンより速い」から一本になっているのだ。特にレベルが上がれば上がるほど、相手の防御技術というのも攻撃力以上に高くなってくる。そこでは「メンであれば簡単によけられるから突きを選択する」という駆け引きが存在するのだ。
 
そして、「突き技」が持つ特異性、2つ目の答えは、「表裏を崩せること」である。「表からの突き」と「裏からの突き」、諸手突きにはこの二種類がある。例えば、相手が表から突いてきた場合、あなたはどうさばくだろうか。理想的には一歩引いて余すのが良いだろうが、相手の突きが鋭い場合、そんな余裕はないだろう。おそらくほとんどの場合、突いてきた竹刀を払う形になるだろう。そして、その「表からの突きを払った瞬間」をイメージしてほしい。間違いなく、その瞬間は面・小手・裏の突きがガラ空きになっているはずだ。突きの名手はその「相手を崩した状態」を簡単に作り出すことが出来る。例えば「表」の攻め。試合の中で一度相手をヒヤリとさせるような「表からの諸手突き」を放つ。次の攻めは簡単だ。「表からの突きと見せて右面」「表から突くと見せて小手」「表から突くと見せて裏から突く」というように攻めがつながっていく。「裏からの突き」に関しても原理は同じで、それを払った瞬間をイメージすれば、左面と表の突きがガラ空きなのに気付くだろう。次の攻めとしては「裏からの突きを見せて右面」「表の突きを攻めて裏の突き」といった具合だ。「相手を崩して打て」とよく抽象的に言われることが多いが、まさに突き技は相手を崩すための核兵器となるのである。
 
想像してほしい。あなたが突きの名手になった姿を。相手はビクビク震えながら試合をすることになる。なぜならメンより速いあなたの突きにビビっているから。そして、その突きが外れても問題は無い。あなたが一度見せた突きは相手の脳裏に恐怖として深く刻まれている。あなたはもう一度突くふりをして、がらんどうになった面・小手・裏の突きに会心の一撃をお見舞いしてあげれば良いのである。突きを覚えれば必ず剣道が変わる。
 
今回は、突き技の「理論」のご説明でした。具体的な「突き方」については、また書きますのでお待ち下さい。では。