読むだけで強くなれる剣道ブログ

大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

僕の木刀の大冒険②

終電の時間が過ぎても、同じ店で飲み続けた。

それから1時間くらい経った頃であろうか、彼女が「酔ってきた」と言い始めた。悪い流れではない。僕の木刀の出番を意識し始めた。

お喋りしつつも時折おでこをテーブルで支える仕草をする彼女。会話も盛り下がる気配はなく、お互いに楽しい時間を過ごした。

良い頃合いだろう。私は「そろそろ出ようか」と投げかけた。「このあと、どうするんですか?」聞いてくる彼女。「どっかホテル探して今日は泊まるよ。映画にも集中してたし酒もかなり飲んだし疲れたわー。◯◯ちゃんも外でタクシー捕まえたら?」「そうですね」

外に出た。このご時世、ホテルなどgoogleマップで簡単に探せる。しかし私は意図的に「この辺、ホテルどっかあるかなー?」と聞いた。この辺りの地理は彼女のほうが詳しいのだ。「◯◯町に行けばいっぱいありますよー。歩いてすぐなんで案内します」

狙ったとおりにズバッと決まった。「僕の木刀の出番だよ」。私は確信した。

歩いて◯◯町までは少し距離があった。フリなのか本当なのか分からないが、フラフラとよろつきながら歩く彼女。自然と私が彼女を支える構図になり、体は密着した。

もうイケるのは分かっていたので、一応聞いた。「◯◯ちゃんもかなり酔ってるし疲れてるし、ホテル泊まっていけばいいじゃん」。彼女は声に出さずに上目遣いで私の目を見つめて、恥ずかしそうに顔を私の腕に埋めた。こんなに素晴らしいYESサインがあるだろうか。そしてまた歩き出す。腕にくっついた胸を「何カップかな」と考えながら歩く道のりは夢心地だった。飲食店の看板、街路樹、野良猫、全てが味方に見えた。

しばらく歩いてその辺りまで来た。驚いたのだが、◯◯町はそっちのホテル街だった笑。「やる気かこの子笑」。含み笑いを抑えつつ、とりあえず一番近いホテルに入った。

先にシャワーを浴び、ベッドで待つ。この時間ほど生きててよかったと思う時間はない。

彼女がシャワーを済ませ、ベッドに入ってくる。5分ほどジョーク交じりの会話をしたら試合開始だ。

私は紳士に、なおかつ柔軟に対応した。彼女は何が好きなのか、どこが弱点なのか。お互いに唇で意思を確認したら、指を這わせる。彼女の体はヒノキ張りの道場の床のようにすべすべしていた。私はその凹凸のある床にすり足を刻むがごとく、指を細かく動かす。次第に指は密林の中に突入し、洞窟を見つける。洞窟の中は嬉しいことに、オアシスになっていた。オアシスを見つけたラクダが体をいたわりながら水を飲むように、私は優しく音を立てながら洞窟内を探索した。彼女の息遣いを頼りにポイントを見つける。ここだと思う所には時間をかける。息遣いが激しくなる。しまいには彼女はかかり稽古を終えた後のようにのびきっていた。そして攻守交代。彼女は剣道経験はないが、僕の木刀を気に入ってくれたようだ。木刀はチュッパチャップスと成り、その後は鋼の硬さを帯びた真剣へと昇華する。私はその真剣で、洞窟の入口から奥まで何度も何度も往復し、もういいと思うまで探検した。

結局私は深夜、朝、昼前の「3本勝ち」を果たした。剣道では2本勝ちまでしかないが、こういう場合は3本勝ちや4本勝ちも存在する。私は3本がベストのタイプだ笑。


この記事の内容、オチは全く無い。面白くもないだろう。そして、剣道と全く関係ない。

・・・? 果たしてそうだろうか。会う前の攻防、会ってからの駆け引き、何を話すかという技の選択、相手の心情を見極める眼、剣道と全く同じではないだろうか。

よく、剣道の指導者が「剣道は私生活から始まる」というようなことを言う。それは髪型や服装、遅刻をしないなど、指導上面倒くさいことを避ける意味で使われることが多い。それも大事だが、私は「私生活=剣道」を人間関係において当てはめていくべきだと思っている。「何をしたら相手が喜ぶのか、何を話したら嬉しいのか」それは「どこを攻められたら嫌なのか、何を狙っているのか」と、剣道において相手を見極めるということにつながる。そしてそれは異性に関することで大きく培われると思う。たくさん「遊ぶ」ということが剣道上達にもつながるのだ。

なお、今回私はたまたまうまくいったが、これは数を打っている賜物である笑。うまくいった例を参考に、剣道の攻防と当てはめてほしい。今後も何かあれば書いていきたい。