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大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

逆胴の打ち方ファイナルアンサー

前回記事のコメントで「逆胴の打ち方を教えてほしい」とのお声を頂いたので、早速それについて書いていきたい。

色んな先生が色んな逆胴の打ち方を指導していると思うが、そのほとんどが試合で使えるものではない。ネット上にもメチャクチャな打ち方しか載ってない。断言しておくが、今回の逆胴の打ち方こそがアンサーだ。というのは、私自身が「逆胴使い」の一人であり、各種大会の重要な局面でこれを一本にしてきた経験を持っているからだ。おこがましいことを言うが、逆胴に関しては周りの友人や先輩・後輩の誰よりも私のほうが上手だと思う(あくまで逆胴に限れば、です)。その「伝家の宝刀(と自分では思っている)・逆胴」の打ち方を細かく説明していきたい。

 

初めに、打ち方云々よりも、逆胴がどのようなときに決まるのか、という理屈を理解しなければならない。

大前提となるのが、一瞬、相手に「ヤベッ」と思わせて、思い切り手元を上げさせること。つまり、相手に面をよける動作、もしくは面と小手を同時によける動作(三カ所よけ)を取らせる強い攻め、フェイントが必要になる。剣道の攻めの入り口は「上・下・表・裏」の4つであるが、逆胴は「下」の技なので、「上」に強烈なプレッシャーをかけて「下」を打ちぬく、という訳である。

 

そこで、バッチリな動画を探したのだが、私が紹介したい逆胴と全く同じ動画が見つからなかった。一番近いのがなんと、下の小学生の逆胴。勿論小学生なので多少ツメが甘いところはあるが、フェイントを入れてから打ちぬくまでの流れは私が意図するものにかなり近い。この動画を参考に、補足説明を読んでいただければ完璧な逆胴というのが理解できると思う。

www.youtube.com

 2:50〜 の逆胴

 

この逆胴を静止画で解説していく(大人の剣道に置き換えたときも含めて)。

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打つ前の位置に注目。相手はライン際。プレッシャーを感じやすく守りの意識が高くなるところにいるので、こういうときは手元を上げてよけることが多い。

 

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一歩入りながら竹刀を大きく振りかぶる。強烈に「上」へのプレッシャーをかける。これがフェイント。

ちなみに、これはまだ筋力的にも未発達で、大げさなフェイントの方が引っかかりやすい小学生であるから有効なフェイントである。高校生以上であれば、この場面、意識の上では「飛び込み面と全く一緒」にしよう。ここまで振りかぶらないほうが良い。振りかぶり過ぎるとあからさまなフェイントであるのがバレてしまう。足の動きに関しても「飛び込み面と全く一緒」にすること。一歩でポーンと飛び込むことで間合いを詰める(この足の動きに関しては動画の小学生と同じ)。つまり、逆胴を発するまでの動きは何もかも飛び込み面と全く同じにすること。それが危険極まりないフェイントとなるのだ。

 

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一歩でポーンと飛び込んだ右足が着床(飛び込み面のように踏み込んだ形)。フェイントは完全なバンザイ状態になっている。

高校生以上であれば、さっき述べたように、ここまでは飛び込み面と全く一緒の動きをしていて、それをピタッと止める瞬間。飛び込み面を打つ瞬間に竹刀を振り下ろさず、竹刀をピタッと止める形だ。なので、ここまで振りかぶらず、左拳がおでこの位置辺りで止める。竹刀も後方に倒れ過ぎないほうが良いだろう(天井を向いているぐらいの角度が良いだろう)。相手からしてみれば「飛び込み面であれば打たれる。だから手元を上げてよける」という状態を作ること。

その「ピタッと止めた」瞬間、右足は着床している(踏み込んでいる)。次の瞬間、前への体の勢いの慣性で左足の引きつけも自然と完了しているはずだ(動画の小学生は引きつけが甘いまま打っているので、実際はもう少し引きつけたほうが良いだろう)。つまり、自然と足幅も狭まり、前への推進力による体の勢いも残しているので、切れ味鋭い逆胴を打つための準備が完璧に整う。

 

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逆胴発動。さっき述べたように、もう少し左足を引きつけた状態で打てば、もっと打突にキレが出るように思う。

打ち方に関してであるが、逆胴はそれこそ封建時代の武士が人を切っていたときと打ち方は全く同じのように思う。という意味では「打ち方」というより「切り方」と言った方が良いのかもしれない。包丁でもそうだが、「切る」という動作をするときに必要なのは「引く」こと。逆胴では切る瞬間に少しだけ左右両腕を「引く」という意識を持てば切り抜きやすく(打ち抜きやすく)なる。そして、少しだけ腰を落としながら打つこと。瞬間的に下へ重心をグッと落とすことによって竹刀に十分な反動を伝えることができる。以上を実践すれば、キレキレの竹刀の軌道になるだろう。

 

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完璧に逆胴を捉える。小学生の試合なので、色々と大人と違うところはあるが、「上」を攻めて「下」を打ち抜く、という流れは理想そのもの。

 

なお、逆胴を使うときは相手のよけ方の癖を見ておくこと。当然、手元を上げない相手には全く効果がない技だ。そして、大技であるので、使うタイミングには細心の注意を払うこと。使うのは一試合で1回か2回だろう。使うべきタイミングというのは「相手が手元を上げる」という確信があるとき。それは以下のような状況のときに多い。

・初太刀は必ず防御から入る相手に対する初太刀

・相手をライン際に追い込んだとき

・相手が極端にディフェンスに徹しているとき

・相手が「手元を上げる」シチュエーションを見抜いたとき

 

以上、逆胴の解説でした。意図する逆胴の動画がなかったので説明がかなり分かりづらいと思います😭分からないところはぜひともご質問下さい。いい動画が見つかれば分かりやすく書き直します。