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九州学院・梶谷の「三カ所よけ」を攻略する唯一の技

それでは前回の続き、「三カ所よけを攻略する唯一の技」を紹介していきたい。

 

前回、この技を発動するまでの布石について、そして、なぜこの技でなければならないか、などについて言及しているので、必ずそちらを先に読んでほしい。↓
 
この技の使い手はこの選手、九州学院・梶谷(大学はどこに行った?)。
実は私、昨年の全国選抜の彼の試合を見て、この技の解説をしようと決めていた(一年以上経ってますね・・・。解説したいことは山のようにあるのです)。それほど完璧にこの技を使いこなしているからだ。

www.youtube.com

1:25〜

この技の解説として完璧だ。この試合、前回記事で述べた「布石」についても完璧。一本の場面より前からしっかり見てもらいたい。

 
流れとしては、
①カウンターの引き面を喰らわないように面を攻めておく。(これについては前回の記事で詳しく言及しているので必ず読んでほしい。なお、上の梶谷選手の試合も最高のお手本となる)
 
 

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②上の2つの静止画は、三カ所よけの形に誘導する攻め。近間に入って強烈にプレッシャーをかける。

 

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③ここからが普通の「逆胴見せ面」と違うところ。超重要ポイント。
 竹刀を鞭のように使う。鞭というか、鎖鎌の分銅のような感じ。
右に一瞬竹刀を回しつつ、、、(この一瞬がフェイントとなる)
 
 

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④一息で面をかち割る。左拳は体の中心線に無い形。左拳が自分の右肘より更に右側に来る感じ。そして、竹刀の横で叩く。刃筋は立てない。邪道と言えば、まあそうだ。俗に言う「基本」のように左拳を体の中心線に持ってくると絶対に一挙動で打てない。これは実際にやってみたら分かると思う。
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もう一度言うが、ポイントは③〜④を一挙動で行うこと。③〜④が「1,2」ではなくて、「1」で打つ。鎖鎌のように一瞬だけ右に回すことで反動をつけ、その反動が「逆胴見せ」のフェイントとなる。
一挙動で行うことで相手は絶対に防御が間に合わない。「逆胴だ!」と思って肘で逆胴を防いだ瞬間、頭がかち割られているだろう。
「一挙動」の意味がわからない人はとにかく動画を見てほしい。③④が一息であることが分かるだろう。
 
ここまで書いておいて何なのだが、、、、実はこの技、ほとんどの人は意味が理解できても打てるようになるのはかなり難しいだろう。竹刀を柔軟に操る技術、手首の柔らかさ、肩の筋力、多くの要素が必要となる。これを練習しよう、と思う時点でそのための基礎がないと厳しいと思う。
反面、この技を身に付けたら超強力な武器となる。「どうぞ三カ所よけしてね」、という余裕(というか、むしろチャンス)が生まれるからだ。
 
補足として、この技は空振りしたらストップをかけるのがかなり難しい。「あ、空振った!」と思って急停止しようとしたら手首を痛める可能性がかなり高い。軽い腱鞘炎になる。これはもう、しょうがないとしか言えない。空振りしないように多用はせず、しっかり過程を作って、「ここ!」というポイントで繰り出したい技だ。