読むだけで強くなれる剣道ブログ

大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

自主練は何をすべきか。素振り?

日頃よりこちらのブログにお越しいただき、ありがとうございます。

そして、多くのコメントありがとうございます。

今回、コメントで多い、

「自主練で素振りは有効ですか?」

「自主練は何をすべきですか?」

という質問に対して、しっかりとした返答をしたいと思います。

 

まず、最初に述べておきたいのが、持つべき"マインド"について。

「頑張っていたら勝てる」

「努力は裏切らない」

このような考えを持っている人は勝てない。また、このような考え方を持っている指導者が率いるチームは勝てない。

これは私が長く剣道を続けていて確信していることだ。

 

強い奴というのは

「俺はこういう剣道をする」

「ここの部分を強化する」

という具体論を持って剣道に取り組んでいる。

練習というのはそのための準備であり、理屈を体に刷り込む機会である。

 

だから、「ここを伸ばす→そのための準備を頑張る」というように、「頑張る」という順番を間違えないようにすべきだ。何の目的も無しの「頑張る」は効果ゼロと考えて良いと思う。

 

 では、テーマである「素振り」「自主練」について。

結論から言うと、「素振り」は剣道の試合での勝利を目指す場合、効果は限りなくゼロに近いと言わざるをえない。

何故かと言うと、まずは何より、素振りのような動きを試合ではしないからだ。それどころか、下手をすると、無駄に竹刀を大きく振り上げる打ち方が身についてしまうかもしれない。私はおすすめしない。

 

そして、よく素振りの効用として言われる事柄について。

 

まず、素振りで「手の内を作る」ということ。

これはまったくもっておかしい理論だろう。試合ではそんなに竹刀を大きく振り上げる機会はない。逆に、「手の内」とは「竹刀を振らずに強く打つ」ことだ。つまり、「竹刀の上げ下げを最低限に抑えつつ、体が生み出すパワーを剣先まで伝える」ときの手首の動きを指す。当然、それが素振りで身につくことはないだろう。

 

次に、「剣道においての筋力を鍛える」ということについて。

これはもし、瞬発力を目的としているならば通常の筋力トレーニングを行った方が良い。素振りで鍛えようとしている部位はおそらく、肩・腕だと思うので、三角筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋・上腕筋・前腕をまんべんなくトレーニングした方が遥かに筋力は発達する。おそらく、いくら素振りをしようと、腕周りは一年で1センチぐらいしか大きくならないだろう。しかし、しっかりトレーニングすれば5センチアップも可能だ。効率が5倍ぐらい違う。「瞬発力=筋肉量+動きの質」だから、筋肉量を増やし、なおかつ実戦での動きを洗練させることが最短ルートだ。

また、筋持久力や持久力を鍛えようしている場合でも効果は薄いだろう。素振りの動きそのものが剣道の試合の動きとは別物なのだから。

 

以上が「素振り」に対する私の考えだ。

ひょっとしたら、私が見逃している「いい意味での素振りの効用」があるかもしれない。もし「これ!こういうところ!」という意見がある方はコメントお願いします!

 

あと、絶対にやめるべきなのが小学校低学年剣士などがよくやっているお尻まで竹刀をつける素振り。これ、試合では絶対にない動きで、なおかつ、体に対して頭が大きい子供は頭の上を腕がスムーズに通らない。だから竹刀の握り方もメチャクチャに・・・という最悪の練習法だ。させるべき動きではないと激しく思う。

 

 

素振りに近いところで、「切り返し」はどうか、ということについても言及したい。

切り返しの場合、素振りとは違い、物理的に物体を打つわけであるから、素振りよりは効果があるだろう。実際に「パン・パン」と打つときの感触を確かめられる。また、「こういう角度で、こう手首を使ったら」などの確認にもなると思う。

切り返しの良い練習法としては「50本切り返し」「100本切り返し」「追い込み稽古での切り返し」など(私もよくやっていた)は1セットでの打つ本数が増える分、腕が強烈にパンプアップ(筋肉がパンパンに膨らむ状態)する。パンプアップは筋肥大の条件の一つなので、これは効果があるのは間違いない。

ただ、それでも試合での動きとは乖離しているので、あくまで「感触を確かめる」「筋力アップ」「筋持久力アップ」という目的に限定されるだろう。

 

 

色々と回りくどくなってしまったが、では自主練は何をすべきか、に関して。

 

私自身は自主練は皆無だった。筋トレが自主練というのなら筋トレのみ、ということになる。

 

「やっとけばよかった」と思うのが、「剣道ノート」を作ることだ。スマホの中に剣道ノートをつくってもよい。それが自主練。頭の中で考えをまとめるだけではダメ。剣道の情報量というのは学校の勉強とは比較にならないぐらい膨大であり、重要な情報が頭からすぐに抜け落ちてしまう。必ず何かにメモする必要がある。

ノートに書くべきはまず、自分の剣道の分析。打てる技、打てない技、得意な駆け引き、苦手な駆け引き、筋力的に優れているところ、劣っているところ・・・多角的に自分の剣道を見つめてみることが重要。

自分の剣道が理解できたら、伸ばすべき部分が分かるだろう。そしたら、できない技や試合運びをまとめるのもよいし、有名選手の技の出し方を研究するのもよい。「こいつに勝ちたい」という選手がいるのなら、彼(彼女)の剣道を徹底解剖するのもよいだろう。

つまり、「自分の剣道の現在地」というものを知り、そこに「付け加えるべき部分」というのを明確化することが上達には最も有効だということ。「こうなりたい」「強くなりたい」だけではダメで、「こうすれば、こうなれる」「これができれば強くなれる」というのを「知る」ことが最重要なのである。

そういう意味では、youtubeの剣道動画を見るのも有効。強い選手がどういう風に技を出しているのか、どういう試合運びをしているのかが超具体的に分かるからだ。特に、「技の出し方」に関しては0.25倍速で見たら一歩一歩の足の使い方や竹刀の振り方、体の使い方まで完璧に分析できる。これはかなりおすすめ。私の学生時代にyoutubeがあれば、毎日食い入るように動画を見て研究していたに違いない。

 

では、実際に体を動かすのは?

これは体を動かしてムズムズする方も多いと思うのだが、筋トレ以外はしないで休養に当てたほうが良いだろう。(筋トレはすべきだが、フォームや頻度、栄養などの知識をつけて、どの部位をどれぐらい大きくするのかまで予定を立ててすべき)体より頭を使うのが剣道だ。

素振りなんかするより、もっと試合で使える動きを頭に叩き込んで、「次の稽古でそれを試そう」とワクワク、ニヤニヤしながらベッドに入ったほうがよい。

それこそが剣道を最高に楽しむ秘訣である。そして、ずっと剣道を楽しむことができたなら上達しない訳がないのだから。