読むだけで強くなれる剣道ブログ

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完璧な逆胴を放つ女子選手

以前、逆胴の解説記事を書いたことがある。

逆胴の打ち方ファイナルアンサー - 読むだけで強くなれる剣道ブログ

そのとき、「これだ!」という動画が見つからなかったので、ちょっと分かりにくい記事になってしまっていた。

最近色んな剣道動画をYoutubeで見ていると、「これぞ完璧!」という動画を見つけることができた。なので前回記事のバージョンアップ版として書いていきたい。

逆胴にもいくつか打ち方はあると思うが、私がよく使っていたのは強烈に上へのフェイントを掛けて逆胴を叩き切る打ち方。その一連の流れを完璧な形で見せてくれたのは大阪府警・山本真理子選手。この逆胴は理想そのものだ。

www.youtube.com

5:18〜の逆胴。完璧!

 

では早速、流れを解説していきたい。

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鍔迫り合いを解消して、一足一刀の間合いとなる。ここからの攻めが重要。相手の手元を上げさせるには上への強烈なプレッシャーが必要となるのだが・・・

 

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そこから一歩ぐいっと入り、近間となる。

 

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山本選手はここから飛び込み面に出る。この近間からの面であれば相手は後方に退いて余すことはできない。すなわち、手元を上げてディフェンスするか、カウンターの応じ技で対応するか、しか選択肢は無い。

 

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ところが山本選手、右足を踏み込んだところで上半身の飛び込み面の軌道をストップ。上に来ると感じた相手は当然そこをかばうようにディフェンスする。

 

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左足を引きつけつつ、がらんどうになった逆胴に一撃を放つ。

 

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気持ちいいぐらいにスパッと切る。

 

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打突後は後方に走り去る。通常のすり足では後打ちの危険性があるので、山本選手のように走り去るのが良い。また、前方に出る形で相手にくっつく形で残心、でも良い。その場合は後打ちを許さないよう、完全にくっつくのが重要だ。

 

以上が一連の流れである。この逆胴の素晴らしいところがフェイントの掛け方。途中までは飛び込み面と全く同じ軌道である点だ。相手からしてみれば、「飛び込み面に来る!→よけないと!」となり、手元を上げざるを得ないのだ。そして、そこから急ストップして逆胴に来るとは思わないだろう。気付いたときには腹を真っ二つにされている、という完璧な理屈がそこにはある。

 

見ていたら簡単そうだと思う方もいらっしゃるかもしれないが、これが出来る選手は少ない。私も中学〜高校時代に何度も何度も練習した。最初から右に寄ってしまったり、上に振りかぶりすぎてバレバレのフェイントになったり、途中でストップをかけてから逆胴に移行するのが難しかったりした記憶がある。

 

ポイントは

・途中までは飛び込み面と全く同じ軌道にすること(振り上げすぎない)

・飛び込み面を踏み込んだところで急ストップ

・半円を描くように逆胴を切る(飛び込み面を急ストップした慣性で左足は自然に引きつけられる)

※ここまでの剣先の軌道は「D」を意識したら分かりやすいと思う。下から「D」を書くように(分かります?)

・打突後はくっつくor離れる(くっつくときは執拗に、離れるときは走り去るように)

 

以上で今回の解説を終了する。

ちなみに、山本選手は逆胴以外ももちろん素晴らしい(というか完璧な)試合をする選手なので、動画を見てみるといろいろ参考になるところがあるのではないかと思います。