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大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

剣道界のロベルト・カルロス、梶谷のツイスト引き面

九州学院高校から明治大学へと進学した梶谷選手。実に観戦者を魅了する剣士だ。

私も彼の剣道に虜になっている一人である。

彼の剣道を見て思い出すのがサッカー元ブラジル代表兼レアルマドリードの左サイドバック、ロベルト・カルロス。170cmに満たない身長で、筋骨隆々。誰にも負けないスピードとブラジル仕込みの柔軟なボールコントロール、そして、当たったら骨が折れそうなほどの超弾丸キックを併せ持っていた。(当時のウイニングイレブンでは「シュート力・99」だった笑)

そんなことはどうでもいいのだが、今回その梶谷選手の技の紹介である。その名も「ツイスト引き面」。

色々と説明する前に動画を見てほしい。凄まじすぎて、何回も繰り返し再生すること間違いなしだ。

www.youtube.com

3:40〜の引き面!

 

これ、速すぎて理解不可能だと思う。PCであれば0.25倍速で見られるので、試してほしい。

 

この動きを静止画で解説していく。

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まず、小手を放った梶谷選手。

 

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小手の後は、九学お決まりの動きで高速に寄せる。この時点で左足が前にきている。普通の体勢ではないここがポイント。

 

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この瞬間から流れるように引き面を発動。体を寄せる動きと同時に引き面を発動させているので、「技の起こり」が一切ない。これは「見えない」だろう。

そしてここでも、「左足が前」のまま!繰り返すが、ここがポイント。

 

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左足を前、右足を後ろにすることで僅かな「間」=「相手との距離」ができる。かつ、上半身も後ろに少し反って必要最低限な「間」を作っている。この「間」が引き技を打てるかどうかを左右する。(※参照)

なお、体全体を反時計回りに強烈にツイストさせるのももう一つのポイント。一気に、一挙動で、である。ツイストさせながらステップするように右足でドンと踏み込むイメージだ。(これさえ体得できればモノにできる)

 

※鍔迫り合いでも、完全に密着した状態であれば引き技はほぼ打てない。こちらにその理屈は詳しく述べています↓

この「梅ケ谷引きメン」打てる? - 読むだけで強くなれる剣道ブログ

 

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きれいに打突部位を捉える。

 

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一気に引く。踏み込みの次、左足の引き足の時点で体は真っ直ぐになっている。

 

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旗が上がる。

 

このような流れだ。

 

 

なお、梶谷選手のこの場面は技を繋いでいく流れで放った形だが、通常のゆったりとした鍔迫り合いの場面でも打てる技だ。それがこちら↓

www.youtube.com

3:25〜の引き面

世界大会の女子先鋒、佐久間選手の引き面だ。

 

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鍔迫り合いに入った瞬間から左足を前に持ってくる佐久間選手

 

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体を密着させて、相手の引き技を封じる。この密着状態であれば、まず相手は打てない。

 

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ここから、ポーンとバックステップするような形、右足を後ろに踏み込む形で引き面を発動。体はこの段階では右に開いている。

 

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踏み込んだ瞬間。右足が後ろにある。身体は「右開き→正面を向く」という風にツイストさせて、その反動を打突に伝える。

 

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「右足(踏み込み)→左足」と引いていく。この「左足」を引くときには完全に体が真っ直ぐになるようにする。(練習するとき、ここの引き方も最初は違和感があると思うので、スムーズに引けるように繰り返し訓練すべき)

 

 

鍔迫り合いは、相手との距離が一つの駆け引きになるのだが、ある程度密着していても打てる技として、今回のこの技を選択肢として持っておくとかなり使えると思う。女子選手も使える技であり、筋力は問題とはならないので、体の使い方次第で誰にでも身に付けられる技だと言える。

 

なお、引き技に関しては以前の記事も目を通してみてください。打てるときの理屈であったり、上手い選手がどのように打ってるのかなど、詳しく書いています。↓

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