読むだけで強くなれる剣道ブログ

大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

神漫画

最近、「エネルギー」というのは大事だな、と思う。「やってやるぞ!」という熱い気持ちから何でも始まると思う。

そして、特に剣道はその「エネルギー」が大事。エネルギー無しにこんなきつい競技なんてやってられない。

私も何度も何度も剣道というものに嫌気が指していたのだが、大学まで不思議と「やめる」という発想は無かった。根性がある方ではないので、「友達」「女子」「遊び」などで上手くエネルギー補充をしながら切り抜けてきたのだろう(多分)。

そこで今回はガツンとモチベーションが上がる、最高の漫画を紹介したい。これはヤバイですよ。

紹介するのはボクシング漫画「はじめの一歩」。単行本はもう100巻を超えているので、読んだことがない人は今から1巻から読んでいくのは気が引けるのではないだろうか。そこで、全巻読んできた私が3つのストーリーに絞って紹介したい。この3つは鳥肌が立つこと間違いなしだ。

 

 

①木村VS間柴(31〜32巻)

はじめの一歩(31) (講談社コミックス)

はじめの一歩(31) (講談社コミックス)

 

 この31・32巻が私が一番好きな試合だ。今まで10回以上読んできたが、何度読んでも泣いてしまう。

主人公・幕之内一歩が所属する鴨川ジムには「木村達也」「青木勝」という二人のお笑い担当のようなサブキャラクターがいる。この二人、日本ランキングではそれなりに上位ではあるもののチャンピオンまでは遠い位置にいる。

そんな中、「死神」の異名を取るチャンピオン「間柴了」とのタイトルマッチが木村に回ってきた。ランキング上位の選手達があまりに強い間柴との対戦を避けたためだ。

間柴VS木村。この両者には歴然たる実力の差がある。

間柴は長身かつ長いリーチからの「フリッカージャブ」(左手をブラブラさせてから放つ鞭のようなジャブ)の使い手。左のフリッカージャブで相手をボコボコに痛めつけ、右の打ち下ろし「チョッピング・ライト」で仕留める。その残酷な戦いぶりから「死神」と呼ばれる(戦いぶりだけでなく、性格も死神のようだ笑)。

ちなみに間柴了の妹が「間柴久美」という主人公・一歩と両思いのヒロイン(?)である(一歩と久美の恋模様は完全なお笑いネタとして描かれる)。

対する木村はオーソドックスなアウトボクサー。これといった特徴のない正統派のボクサーであるが、絶対的に間柴には劣る。そこで彼は一歩のライバルでありジャブの名手「宮田一郎」に弟子入りし、間柴のフリッカー対策を講じようとする。

宮田のジムに通い続け、彼のジャブをかいくぐる練習を繰り返す木村。しかし、一週間経ってもそのジャブをよけるどころか近づくことさえできない。

その後何日も、ジャブを見極めるためにスパーリングを繰り返す木村。するとやっとのことでジャブをかいくぐりインファイトの距離に近づくことに成功する。「よし!(インファイトの距離が)取れた!ここから・・・」

「・・・・・・・・・」

木村はジャブをかいくぐり、インファイトに持ち込んだところで何のパンチも持ち合わせていなかった。落胆する木村。自宅のベッドの上でうなだれる。そこからどうするか迷いに迷う。

気分を入れ替えようとペットの「ドラゴンフィッシュ(アロワナ)」に餌をやる。その餌に飛びつくドラゴンフィッシュ。「お〜〜!お前、見えないところから飛んできやがって!」「見えないところ・・・?」「あっ・・・!」この何気ない日常から木村は「ドラゴンフィッシュ・ブロー」という必殺技を思いつく。

そして、この技を磨きに磨き上げ、運命のタイトルマッチに挑む。

親友である青木は木村が「この試合に負けたら引退する」という空気を察知していた。チンピラだったこの二人がどのようにボクサーになっていったのか、青木との関係、家族との関係、色々な要素が見事に絡み合い、最高のストーリーとなっている。うだつの上がらないボクサーが見せるすべてを掛けた戦いぶりに涙が止まらないはずだ。

 

 

②鷹村VSホーク(41〜44巻)

はじめの一歩(41) (講談社コミックス)

はじめの一歩(41) (講談社コミックス)

 

この試合も漫画として完璧だと思う。試合前の展開から決着まで鬼のように面白い。

この試合はまずもって二人のキャラクターのぶつかり合いがすごい。

「鷹村守」は一歩が所属する鴨川ジムのみならず日本のボクシング界においても「最強キャラ」として描かれている。世界戦であってもこの男が負けることなんて想像できない、というレベルだ。それに加えてキャラクターは「スーパー破天荒」。熊と戦ったり、青木の彼女の胸を揉んだり、青木の眉毛を全剃りしたりとやることなすことメチャクチャな男だ。鴨川ジム一行は常に彼にいじめられている。しかし、ボクシングにおいては雲の上の存在として尊敬の対象でもある。品性下劣極まりないがボクシングにだけは誰よりも誠実な男が鷹村守だ。

対するブライアン・ホークはアメリカが生み出した「狂気」だ。この男、ニューヨークのゲットーで育ち、生きるか死ぬかの争いをくぐり抜けてきた。とにかく天才中の天才で、全く練習もしない。「リングにいる時間より女とベッドの上にいる時間のほうが長い」など、暴言だらけの天才ヒールだ。試合ぶりに関しては「ボクシングスタイル」というものを持たず、ノーガードで構えもしない。寝たような状態からアッパーを打ったり、体ごと突っ込んで打ったり、とにかく変則でなおかつ最強のボクサーだ。

↓ボクシングスタイルの元ネタはこの「ナジーム・ハメド」という選手。

www.youtube.com

この戦い、試合前からヒートアップする。ブライアン・ホークは鷹村の一つ前の試合を観戦に訪れる。この試合、対戦相手の実力は大したことがないものの、鷹村は減量に失敗し、干からびた体で意外な苦戦をする。ホークは周りには女を数人はべらせ、ニタニタと笑みを浮かべながら高みの見物をする。「見に来てやがる!あの野郎!」ホークを視界に入れた鷹村は次の瞬間、怒りの一撃でKO勝利する。

ホーク戦に向けて鬼のような減量に向かう鷹村。減量がハードすぎて喋ることができなくなる。最終的には有名なシーン、干し椎茸を口に含んで唾液を出す減量。「なんでこんな減量を・・・お前のせいか!」

前日の計量&記者会見。ホークは女を引き連れ姿を現す。そして、暴言を次々に浴びせる。「こんなみすぼらしい体でオレと戦うつもりか?」「この国の女をオレに差し出せ!チャンピオンの遺伝子を残してやる!ハハハハ!」鷹村のみならず日本中が怒りに震えることとなった。

こうして「ボクシングにだけは嘘をつけない男VS努力を必要としない最強の悪役」による最大スケールの戦いが描かれる。

 

 

 

③鴨川・猫田VSアンダーソン(45〜46巻)

はじめの一歩(45) (講談社コミックス)

はじめの一歩(45) (講談社コミックス)

 

 この話は他とは打って変わってなんと、戦争直後の話となる。これもまた涙が止まらない。

第二次大戦後の東京、見渡す限りの焼け野原の中、鴨川源二(後の鴨川ジム会長)と猫田銀八は廃バスを家にして生活していた。彼らは「拳闘家」。まだ「ボクシング」が「拳闘」と呼ばれていた時代の話だ。

生活すること自体がままならぬ中、合間を縫ってボクシングの練習に励む鴨川と猫田。ある日、町中で衝撃的なものを目の当たりにする。米兵のボクサーと日本人ボクサーが見世物的な試合をしていたのだ。勿論、体格も技術も大きくアメリカ人の方が上回る。日本人はことごとく彼にボコボコにされるのだった。「まったく話にならない」と微笑む米兵。それを見て猫田は試合に興味を持つ。しかし、鴨川は「そもそもの体格も技術の高さも比べ物にならない。日頃の鍛錬を見せる場にはならない」と否定する。

ある夜、町中で二人は女性の叫び声を耳にする。「キャー!」と逃げる女性。後ろからジープが女性を追い回している。助けに行く二人。ジープの席に立っていたのはあの米兵・アンダーソン軍曹だった。「女狩り」の真っ最中だったのだ。二人は戦いに挑む。ところが何もできずに返り討ちにあう。

ボコボコにされ、寝転ぶ二人。「くそう」「あっ!あの女は?」女性は電柱の陰に隠れていた。「大丈夫か?」「はい。隠れてました」

こうしてヒロイン・ユキと出会った二人。地方から出てきたというユキは二人の家を間借りし、三人の共同生活が始まる。

ある日、鴨川はユキが咳き込んで、吐血している姿を目にする。「この症状は・・・あんた、広島から来たのか?」

その後も病気により弱ったところをひた隠しにし、二人に接するユキ。二人は運命のようにユキに恋をする。そして、あの米兵に借りを返し、ユキに勇姿を見せたいと言う猫田であったのだが・・・。