読むだけで強くなれる剣道ブログ

大学まで全国区だった元剣士が剣道を理論的に分析するブログ。剣道の上達法、使える技をご紹介

ヒャックマンの引き逆胴

先日、何気なくYoutubeを見ていたら、私が子供の頃テレビでやっていた「これができたら100万円(?)」の一企画、「ヒャックマンに勝てたら100万円」の動画が上がっていた。

「お?そういやこんなの昔あったな。今見たらヒャックマンなんて大したことないだろう」と思っていた。しかし、いざ見てみたらヒャックマンはかなり強かった笑。本物だ。

 

この人、かなり私の理想に近い剣道をする。相手に応じて弱点を的確に見抜き、そこを確実に仕留める豊富な技を持っている。素晴らしいと思う。

ここまで褒めたところで、今回は彼の持ち技の一つを紹介する。その技は「引き逆胴」。

まずはこちらの動画をご覧いただきたい。↓

 

www.youtube.com

2:25〜の引き逆胴

 

このキレ、皆様も素晴らしいとお感じになったのではないだろうか。

以下、静止画をもとにポイントを述べたい。

 

 

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通常の鍔迫り合いから、 

 

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少し距離を取る。基本的には大半の引き技同様、このように若干離れたほうが良いだろう。というのはこの技、「上を見せて下を打つ」わけであり、相手に「上がヤバイ!」と思わせる必要があるからだ。なので、「引き面を打ちやすい距離」こそ「上がヤバイ!」となる。

 

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スッと上を見せる。これが「上」へのフェイント。(この場面、実はヒャックマンは少しだけ表から竹刀を押さえている)

ここのフェイントはかなりのパターンがある。

・単純に少しだけ振りかぶる(真っ直ぐ。斜めに振りかぶるのはバレやすいので良くない)

・左拳で相手の右拳をカチ上げる(アッパーカットのような感じ)。(これはカチ上げた瞬間、自分は右斜めに担いでいるような状態になるので、逆胴は打ちやすい。反面、そこそこのレベルになれば誰もが知っている技なので見破られやすい)

・単純に相手の体を押す。(この場合、上へ振りかぶる必要はない。押すこと自体が上へのフェイントとなる。また、密接状態から押すことで距離を取りつつ逆胴を放つのもアリ。読まれたらカウンターの引き面を食らうので、相手が油断した瞬間にポンッと押すのが良い)

・逆交差から打つ。(逆交差から表へ竹刀を回すことが上へのフェイント。この場合、若干大げさに表へ竹刀を回す方が良いだろう)

・表から竹刀を押さえる(ヒャックマン同様)。

・・・などである。

なおかつ、かなり重要なのが、この時点で左足を引いておくことだ(ヒャックマンのように)。つまり、上で述べた「上へのフェイント」を見せながら左足を引いておくこと。この後、逆胴を切るわけであるからしっかり体が左に回るように、そのスペースを作るための準備がこの「左足の引き」だ。これが無いと打てない。

 

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切った瞬間。その場で切る。切ったあとは体を左に回転させ半身の状態になる(ときどき、真っ直ぐ引いていく人がいるが、非常に残念だ笑)。

 

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そして、切った後の足さばきについて。これも重要。

一歩目は必ず右足から引くこと。一歩目で大きく、グイーンと引く。そしてなるべく足の向きは相手と逆方向へ(左足を支点に後ろへ180度回るイメージ。ツイストさせる)。

 

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二歩目からは後ろに向かって普通に走る(当然、普通のすり足ではダメ)。三歩目ぐらいまで高速で引けたらかなりのキレが生まれると思う。このキレがあれば完璧に逆胴を捉えていなくても旗が上がることも多い。

 

このような流れだ。

ちなみにこの技、意外にも私の周りでも打てない人(学生トップレベル)がかなり多かった。必需の技ではないが、ここがガラ空きの人も多く、そういう相手ならば一発で仕留められる。特に緊張感の高い試合(インカレ、インハイ、中体連など)では打たれたくない意識が強すぎて手元が上がりがちになる。そんな試合でこそ有効だ。私自身も重要な試合で決め技になったことが数回ある。習得をおすすめする。